オンライン英会話スクールに関して日本経済新聞社から取材を受けて伝えたかったこと
当方、オンライン英会話スクールをたくさん見てきたことから2014年の年末頃に日本経済新聞社より、オンライン英会話スクールに関する取材を受けました。
(Web紙面はこちら)
オンライン英会話、突然閉鎖トラブル 支払い方法などに注意
当時、2013年頃から小さなオンライン英会話スクールが急速に増え、その後1年足らずで撤退するスクールなど、「閉鎖トラブル」が比較的多く見られ注意喚起として使えたいことがあったので回答しています。
紙面の関係上、要点を絞って掲載していただいていますが、このページにさらに伝えたかったことや、どうやって「トラブルに遭わないようにスクール選びをするか?」や、会員になる上での注意点など紹介したいと思います。
オンライン英会話スクールの利用上、気をつけるべき点
まずオンライン英会話スクールでレッスンを受けてみようと思った時、オンライン英会話の3大メリット(料金・時間・場所のメリット)を十分活かせるかを自分に照らし合わせて選択してみると良いです。
それぞれ注目する部分は、
- 料金・・・月額制で安い、1レッスン300円ぐらいが定額制の相場。また長期払いにしなくても安い、入会金などもないところが多い。無料体験レッスンの提供
- 時間帯・・・早朝深夜までレッスン受講が可能で、通勤前・通勤後でもレッスンが出来る
- 場所・・・自宅で可能、またモバイル端末を使えば外でも可能。会社のパソコンでする人もいる
これらのメリットが個々人に照らしあわせてみて、オンライン英会話スクールならメリットがありそうであれば、是非オンライン英会話スクールを試してみて欲しいと思います。3つのメリットについてもう少し詳しくカラクリを紹介したいと思います。
一番目の料金は、見た目上料金が安くなるのは大抵毎日受講した場合などで、毎日受講は出来る人とできない人がいるとお思います。多くの人は週に2~3回程度が生活のペースの中で取り組める範囲です。それでも1時間1000円程度なら街なかのスクールに比べても十分に安いので、自分の受けるペースで1時間あたりの単価がどの程度になりそうか計算すると良いです。
また、最初から週2~3回度の受講を想定して料金設定しているスクールも狙い目だと思います。長期契約(6ヶ月~1年など)をすれば安くなる場合が多いが、最初から長期契約はオススメしません。 1ヶ月単位でも十分安いのでまずは試してみてから、本当に続けられるなら実績のある大きなスクールという条件付きで長期契約も可能かと思います。
小さなスクールは廃業リスクもあることを十分理解しておくべきです。
時間帯に関しては、やはり夜の時間帯に予約が集中する問題点があります。その為、夜のプライムタイムは好みの講師の予約ができない可能性があり不満が溜まる可能性があります。さらに24時間対応と書いているスクールでは実際は講師のスケジュールに依ることが多く、自分のレッスンの受けたい時間に空きがない可能性もあります。
逆に早朝や昼間といった時間帯にレッスンが出来る人にはオンライン英会話スクールは非常にオススメです。レッスンの予約空き状況は、残念ながら無料体験で予約状況を確認するか、1ヶ月程度入会して見て実際に予約できるかチェックするしかありません。この点から見ても、いきなり長期契約は避けたいところです。
グループレッスンで予約なしで参加できるスクールも多く使いやすいでしょう(バーチャル英会話教室、EFイングリッシュライブ/EnglisLiveなど)。2015年には全く予約無しでレッスンが可能になるマンツーマンスクールも登場しました(NativeCamp(ネイティブキャンプ) )。
場所に関してはインターネット環境ということで、スカイプ品質であることを理解することです。多少の通信トラブルは目を瞑って気軽に受ける態勢が、継続したレッスンに良いです。スマホ片手に外で受ける人や、仕事場の休憩所を少し借りてレッスンする人も多いみたいです。出来れば講師側はオフィスから通信しているスクールが望ましいでしょう。
オンライン英会話スクールの3つの利点が、本当に自分に当てはまるか考えて入会すると幸せになれます。
オンライン英会話スクール業界の歴史からから見る
日本経済新聞の取材では、私の知る限りのオンライン英会話スクール業界の歴史を回答したのですが、紙面の都合上かなりカットされていたので、ここで書いておきます。
現在の格安系オンライン英会話スクールの先駆けはレアジョブ英会話で2007年辺りにスタートしました。その後、同じような月額制スクールがいくつか追随(ラングリッチなど)、講師獲得競争と顧客獲得競争が起きました。
そんな中、ポイント制で講師にランクを付けるスクールや、何らかの形でレッスン品質向上を目指すスクールも登場。国内に事務所やスクール提供場所を設置する必要が無いため、小さな資金でも、新規参入がしやすいのが特徴(参入し易いため、廃業するスクールも多い)です。
数年をかけて多種多様化し、子供向け・シニア向け・ビジネス向け・試験対策といったターゲットを絞ったスクールや、フィリピン人以外の採用、面白系(漫画・料理をテーマにしたものなど)など、工夫がみられ差別化を図るスクールが増えた。
2010年辺りからメソッド系が流行りを見せました。特にカランメソッドが25分集中型で余計な会話をしないので親和性が高いと評価できます。
2013年あたりから資本力のある大手参入が多くDMM英会話や産経オンライン英会話 、レアジョブ英会話を含め大手スクールは価格競争とスケールメリットが主戦場となりました。同時に大きいスクールはスケールメリットで勝負、小さいスクールは特色あるスクールの2極化が進むことになります。このあたりから小さなスクールで独自性を出せないところは経営が苦しくなり廃業になるスクールが増えました。同時にペソ高といった経営を圧迫する為替変動も起きています。
さらにOEM的な形でスクールは世界から家庭教師を募るようなスクールが増えてきました。スクール運営側は教師にランクを付けるだけで後はその中で講師がアルバイト感覚でレッスンをする形です。こういったスクールは講師によって評価がまちまちなのでスクールとしての評価がしにくいです。良し悪しがあるかと思いますが、経営基盤をしっかり見たほうが良いでしょう。
メリットの一つにマンツーマンレッスンを安く受けられるいうものもありましたが、グループレッスンにも見直しが出てきました。さらに、オンライン英会話だけでなく総合英語学習環境を提唱するスクールもペソ高による料金値上げと共に増えた印象があります。BestTeacher(ベストティーチャー) などはもともと独自特徴路線でしたが、4技能すべての向上を訴えています。
2015年あたりからはスクールの増え方に落ち着きが出てきて、気軽に新規参入できるけど、新規参入してもうまくいかないことに気づく起業家が増えた模様です。それでも起業するところは何かしらの特色がある事が多いです。(NativeCamp(ネイティブキャンプ) が予約なしの受け放題、ECCオンライン英会話はECCクオリティで格安を全面に打ち出しています)。
現在は今までにある大手スクールよりもなにか良い物がないと、勝負にならない世界になっていると思います。
過去の歴史を振り返ると、色々なスクールが出来たりなくなったりしていますが、表面上同じようなサービスの場合は、どれだけ良い講師・先生がいるかが決め手になっている気がします。また5年以上運営しているスクールは成熟感が出てきています。
オンライン英会話スクールの閉鎖の例
オンライン英会話スクールが残念ながら運営をやめる時も、後始末が良い例と悪い例があり、一概に閉鎖するから悪いとはいえません。
悪い例は、経営者がいきなりの夜逃げ的なサービス停止をする場合です。こうなってしまうと前もって払ってしまった授業料など取り返したくても取り返せないでしょう。しかしこの悪い例はごく一部で、私の知る限りでは経営者が外国人でスクールの企業情報をみても怪しい部分を感じ取れたので、スクールの企業情報は申込時にチェックしておくと良いかもしれません。
一方、やむなくサービスを停止する場合は多くは返金対応をしているか、事業継承して他のスクールに統合したりしています。もし返金までに時間がかかっても生徒側少し猶予を与えてあげたほうが良いかもしれません。
一番いいのは、長期契約はしないで閉鎖トラブルに合った時の被害を最小限に抑えることです。
その上で、何かしら問題を感じた時は、スクールと直接やり取りするのではなく、消費者センター等に問い合わせたほうがスムーズに事が進むことがあります。
リスクに対応した上手なオンライン英会話スクールの受け方
最後に、上記のようなことを踏まえたうえで、気をつけるとリスクを抑えることが出来る項目を箇条書きでまとめておきます。
- 安くなるとしても長期契約は避ける
- 無料体験で個人情報(住所・電話)を入れる必要がある場合は敬遠する
- 無料体験で通常レッスンと同じように予約が行えるスクールが望ましい
- 英語学習用に別途フリーメールアドレスを使う
- ホームページ上で更新情報(facebookやツイッターなども参考)など活気があるか確認する
- フィリピンなどのお国柄や個別事情を含めて、自分が納得して受ける(発音が悪い、ノーショーなどもたまにある。話題が微妙など。それが許せる程度か?)
- どうしてもリスクを避けたいなら大手が安心感(割高は仕方ない(定額ならレアジョブ英会話、総合でバーチャル英会話教室、EFイングリッシュライブ/EnglisLiveなど))
- 無料体験レッスンがあるところ、入学金無料のところが良い
- 出来れば入会前にタイプの違うスクールを3つ程度は試したい
- 海外運営はリスクが高い(米ドル払い、クレジットカードオンリーなど)
- ホームページの企業情報を確認し運営の責任者をチェックする
多くのことを書きましたが、基本的には最初に挙げた長期契約さえしなければリスクは最小限に抑えられるので、萎縮するのも問題だと思います。最初から「安かろう悪かろう」といった姿勢は勿体無いと感じます。
当方、多くのスクール運営者に直接会ってインタビューをしましたが、ほぼ全部のスクール運営者は情熱を持って、皆さんの英語力向上の役に立ちたいと思っています。また、私自身がオンライン英会話スクールのお陰で、通訳案内士などの資格も取ることが出来ました。
台風によって授業ができないなど、小さな問題はちょくちょく起こりますが、それを見越して格安でレッスンで受けられているといった余裕をもった姿勢も必要かと思います。
掲載オンライン英会話スクールの評価一覧表、気になるスクールを素早くチェック!
最後に当方が実際にレッスンを受けたり、サービスをチェックして評価したスクール評価表のページを紹介します。一人の意見では、なかなか正しい評価というのは難しいですが参考に一つにしてください。